KOHEI NAWA

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大阪のGallery Nomartにて、関西では5年ぶりとなる個展を開催いたします。『Element - Black』と題された本展は、Element(要素)の集積から生まれる黒(無限)への回帰をテーマに、ドローイングから得られた抽象的なイメージやテクスチャを重ね合わせることで立ち現れる版画作品と”Velvet”シリーズの新作などを発表します。

 

展示期間:2018年11月10日(土)- 12月8日(土)
会館時間:月曜 - 土曜 13:00 - 19:00
休廊日:日曜、祝日
オープニングレセプション:2018年11月10日(土)18:00 -
クロージングイベント"Black":12月8日(土)open 19:00 / start 19:30
会場:ギャラリーノマル
〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
URL:http://www.nomart.co.jp/gallery/exhibition/2018_nawa.php
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名和晃平が東京のSCAI THE BATHHOUSEにて3年ぶりに個展を開催いたします。『Biomatrix』と題された本展は、ものの表皮と空間の関係性によって展開されます。

 

本展の中心となる作品シリーズ「LIQUID」(2003年-)では、シリコーンオイル、金属粉、顔料などを組み合わせた液状素材を使用し、液面に気泡(セル)を発生させています。次々と湧き上がり消滅する気泡———そのひとつひとつは、皮膜をつくる細胞の要素であると同時に、粒子の運動が引き起こす現象の単位となります。電気的に制御された液体素材のプールは、視覚情報を増幅する皮膜となり、細胞のパターンを生成する「Pixel(ピクセル)」の基盤として捉えられます。マグマや血液のように終わりのない循環を続けるシリコーンオイルは、高粘度の特性に従い、鑑賞者の予測を裏切る速度で液面の動きを描きます。細胞を生成する枠組み(マトリクス)のように整然とした配列は、同時多発的に広がる気泡の生成と消滅、そして表面張力の破裂音と共に空間を満たし、変化する視覚情報の連続が鑑賞者の感覚を刺激していきます。

名和はこれまでも、ホワイトキューブに流れ続ける線状の黒いオイル("Force" 2015年-)や、際限なく生成し続ける泡沫("Foam" 2013年-)など、有機的な現象を現代の化学素材で再現してきました。それはあらゆる素材を分子レベルに還元し、液体の表面張力や流動性などの物理現象に立ち返り、素材の特性を開花させる名和の方法論に基づいています。界面は物質と私たちの知覚を結びつける皮膜となり、空間との相互作用を通じて、ある体験としてのイメージが生成される———このとき、リアルとバーチャル、ミクロとマクロ、自然と人工などあらゆる対立がこの皮膜の上で消え去り、シリコーンオイルに湧き上がる気泡が、生体とオブジェの境界を超えて鑑賞者に迫ります。

 

展示期間:2018年10月10日(水)- 12月8日(土)
オープニングレセプション:2018年10月10日(水)18:00 - 20:00
開館時間:火曜 - 土曜 12:00 - 18:00
休廊日:月曜、日曜、祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
URL:https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2018/09/biomatrix/