KOHEI NAWA

Blue Seed

特殊顔料が塗布された半透過性の板の表面にUVレーザーが照射され、植物の種子や胚珠をテーマとした3Dモデルの断面のシルエットが描かれる。紫外線によって一時的に変色し、青く染み込んだインクのように見える線描は、生成してから数十秒かけてゆっくりと消滅する。緻密なピッチでスキャンラインが次々と現れ、その残像は種子や胚珠の立体的な図像となって浮かび上がる。

通常、ドローイングは制作者の描くイメージが支持体に定着するかどうかが問題となるが、《Blue Seed》では、イメージは支持体に定着することなく、コンピュータのプログラムにより繰り返し生成されては、自然に消えていく。個として成長する可能性を持つ種子や胚珠のイメージには、生命の誕生や存在の儚さ、明滅しながらも維持されるシステムとしての永続性が示される。

プログラム: 白木 良/サウンドスケープ: 原 摩利彦

Blue Seed_A/Blue Seed_B

2020
Mixed media
632 × 1232 × 60 mm