KOHEI NAWA

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東京のSCAI THE BATHHOUSEにて、3年ぶり6度目となる名和晃平の個展「Sentient」(「意識・感覚のある」の意)を開催いたします。

テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、名和は過去20年間にわたるミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきてきました。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、人工素材とコード化された記号、デジタルデータと彫刻的フォルムの間で生じる再帰的な交換に目を向け、ファウンド・オブジェの表層を変質させるマテリアルの考察から生まれています。本展では、こうした探求をさらに掘り下げ、名和の実践がもたらす物質的な介入を通じて、オブジェの存在論に新たな問いを投じます。

展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年7月12日(土)
開廊時間:12:00 - 18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡

*プレスリリース(日本語のみ)

photo: Nobutada OMOTE

Sentient


テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、名和晃平は、過去20年間にわたるミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきてきました。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、人工素材とコード化された記号、デジタルデータと彫刻的フォルムの間で生じる再帰的な交換に目を向け、ファウンド・オブジェの表層を変質させるマテリアルの考察から生まれています。弊廊での3年ぶり6度目となる個展「Sentient」(「意識・感覚のある」の意)では、こうした探求をさらに掘り下げ、名和の実践がもたらす物質的な介入を通じて、オブジェの存在論に新たな問いを投じます。

本展を構成するのは、それぞれ独立した台座に置かれ、複層的な対話を織りなす約20点の彫刻作品です。70年代のブラウン管テレビ、節句を祝う飾り馬、デッサンに使われたギリシャ彫刻の石膏像ーー。彫刻の素材として立ち並ぶこれらのオブジェは、ネットオークションや地元の蚤の市などから、「移り変わる時代の網目に掬い出された」(名和談)」かのように、それぞれに異なる時代や地域における美の概念をかたどっています。対象は静物にとどまらず、燃焼し続けるロウソクや展示中に週替りで生け替える生け花など、時代を象徴する大量生産品から個人の手が引き立てる様式美まで多岐に渡ります。作品の表面は、苔や菌糸のような絨毛を付着させた「Velvet」や3Dスキャンなどで得たデジタルデータを元に彫刻化する「Trans」など、名和のこれまでの彫刻シリーズを特徴づける技法が用いられ、それがオブジェの意味を不安定にし、記号としての可読性が揺らいでいきます。

名和が大学時代に制作したプロトタイプを基にした《Meat in a Cell》(2025)には、有機物と人工素材の相互作用やセル概念など、名和の長年にわたる主題の萌芽を見出すことができます。一見磨き上げられた鉱石にもみえるオブジェは、ガラスケースに詰め込まれた肉塊であり、シュルレアリストの用いた「異化」効果のように、視覚的な認識と実体との乖離によって鑑賞者の記憶に深く刻み込まれます。炭化ケイ素で覆われた木製の椅子と乾燥した植物からなる《Traveller's Tree》(2025)や、解剖標本のように、水分を樹脂に置き換えるプラスティネーション処理を施した鶏頭をガラス瓶に刺した《Cockscomb》など、有機物や生体さえもが凍結した静止状態に置かれ、異質で異次元なイメージをいっそう増幅させていきます。

展示作品の中でも、《Cells in the Grotto》(2025)は解釈の流動性を象徴するうえで際立っています。リゾームに覆われた洞窟のような造形は粘土を乾燥させ粉砕した泥で覆われ、その内部に異なる天然・人工物を封じ込めた大小さまざまなガラス球が置かれています。フレーク状の雲母、結晶化した鉱物、青くフィルムコーティングしたカブの種、ヒマラヤ岩塩やよもぎなど、多種多様な色彩や形状をもつ要素がカプセル化され、地球環境の危機と複雑に絡み合う生態系を暗示しています。同時に、不調和に見えるオブジェの配置は、神話的・象徴的なイメージを想起させ、コントロールできない外的要因に導かれる集合の特性を浮び上がらせています。

目的を失ったオブジェが次々と漂着する名和のスタジオは、ヴァルター・ベンヤミンが「寓話的なパッチワークの散在」*と呼んだ収集のあり方を体現するかのように、直線的な物語や分類を退けながら、意図的な無秩序のもとで増殖し続けています。名和の実践によってオブジェの記号としての可読性は解体され、異なるマテリアルと技法を加えることでそのフォルムが変容していきます。この組み換え可能なアッサンブラージュにおいて、オブジェはその物性とコード化された意味の狭間をさまよい出ます。本展では、そうした個々の彫刻の集合を空間に布置することで、既存の価値体系を異化し、予期せぬ視点へと導く関係性の場を開いていきます。

* Benjamin, W. (1999). ‘The Collector.’ In The Arcades Project. Cambridge, MA: Harvard University Press. p. 211.

 

展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年7月12日(土)
開廊時間:12:00 - 18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡

photo: Nobutada OMOTE

 

Sentinent
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大阪のGallery Nomartにて、藤本由紀夫、中原浩大、今村源、名和晃平の4名によるグループ展「Treasure 2」を開催いたします。Gallery Nomartとの協働制作によって生まれたマルチプル作品の中から、近年制作した作品と新作を展示いたします。

展示期間:2025年4月5日(土) - 2025年5月2日(金)
開廊時間:13:00 - 19:00
休廊日:日曜・祝日
会場:Gallery Nomart
〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22

Treasure 2
東京のPLAY! MUSEUMにて開催される動物をテーマにした展覧会「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」に、名和晃平の彫刻作品《PixCell-Flamingo》を出展いたします。

展示期間:2025年4月16日(水) - 7月6日(日)
会館時間:[月曜 - 金曜] 10:00 - 17:00 (最終入場 16:30)
[土曜・日曜・祝日] 10:00-18:00 (最終入場17:30)
会場:PLAY! MUSEUM
〒190-0014 東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟

どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?
東京国立博物館・表慶館にて、様々なジャンルのアーティスト、デザイナー、クリエーター総勢85名がアダチ版画研究所の彫師・摺師たちと協働して制作した、現代の浮世絵を展示する展覧会「浮世絵現代」が開催されます。名和晃平は新作の浮世絵3点を出展いたします。

展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年6月15日(日)
開廊時間:9:30 - 17:00 (最終入場 16:30)
※金曜・土曜、5月4日、5月5日は20:00まで開館
休廊日:月曜、5月7日
※4月28日、5月5日は開館
会場:東京国立博物館・表慶館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

浮世絵現代
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振付家 ダミアン・ジャレと彫刻家 名和晃平の協働によるパフォーマンス作品 《Planet [wanderer]》を、ギリシャ・アテネのOnassis Stegiにて上演いたします。

日時:2025年4月4日 (金)、4月5日 (土)、4月6日 (日) / 20:30 - 21:30
会場:Onassis Stegi
Leof. Andrea Siggrou 107, Athens 117 45, Greece
チケット

振付 : ダミアン・ジャレ
セノグラフィ : 名和晃平
照明:吉本有輝子
衣装:Sruli Recht
音楽:Tim Hecker
サウンドデザイン:Xavier Jacquot
振付アシスタント:Alexandra Hoàng Gilbert
Outside eye:Catalina Navarrete Hernández
クリエイティブプロデューサー:Jamila Hessaine

ダンサー:Shawn Ahern、Kim Amankwaa、Aimilios Arapoglou、Francesco Ferrari、Vinson Fraley、Christina Guieb、Astrid Sweeney、湯浅永麻

製作:Théâtre National de Bretagne
パートナーシップ:Chaillot – Théâtre national de la Danse (2021年度アソシエイト・プロデューサー)
共同製作:Sandwich Inc.、Charleroi Danse、Festpielhaus St Pölten、東京芸術劇場、ロームシアター京都、京都芸術センター、Opera de Rouen Normandie、Theater Kampnagel Hamburg、Ballet de Grand Théâtre de Genève、Staatstheater Darmstadt、Nagelhus Schia Productions

協力:京都芸術大学 Ultra_Sandwich#14 #15 #16 #17、京都大学 竹中研究室
特別協力:株式会社グランマーブル、株式会社マツシマホールディングス
感謝:Théo Casciani、Prabda Yoon、Fabienne Aucant

Photo: Rahi Rezvani

Planet [wanderer]
シンガポールのArtScience Museumにて開催される展覧会「Iris van Herpen: Sculpting the Senses」に、ダミアン・ジャレと名和晃平によるパフォーマンス作品《VESSEL》の映像(編集版)が展示されます。

展示期間:2025年3月15日(土) - 8月10日(日)
開館時間:[日曜 - 木曜] 10:00 - 19:00 (最終入場18:00) / [金曜 - 土曜] 10:00 - 21:00 (最終入場20:15)
場所:ArtScience Museum Level 3 Galleries
6 Bayfront Avenue, Singapore 018974

Iris van Herpen: Sculpting the Senses