

7月12日まで、東京・SCAI THE BATHHOUSEにて、名和晃平の個展「Sentient」を開催しています。
テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、名和は過去20年間にわたるミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきてきました。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、人工素材とコード化された記号、デジタルデータと彫刻的フォルムの間で生じる再帰的な交換に目を向け、ファウンド・オブジェの表層を変質させるマテリアルの考察から生まれています。「Sentient」(「意識・感覚のある」の意)では、こうした探求をさらに掘り下げ、名和の実践がもたらす物質的な介入を通じて、オブジェの存在論に新たな問いを投じます。
本展を構成するのは、それぞれ独立した台座に置かれ、複層的な対話を織りなす約20点の彫刻作品です。70年代のブラウン管テレビ、節句を祝う飾り馬、デッサンに使われたギリシャ彫刻の石膏像ーー。彫刻の素材として立ち並ぶこれらのオブジェは、ネットオークションや地元の蚤の市などから、「移り変わる時代の網目に掬い出された」(名和談)かのように、それぞれに異なる時代や地域における美の概念をかたどっています。対象は静物にとどまらず、燃焼し続けるロウソクや展示中に週替りで生け替える生け花など、時代を象徴する大量生産品から個人の手が引き立てる様式美まで多岐に渡ります。作品の表面は、苔や菌糸のような絨毛を付着させた「Velvet」や3Dスキャンなどで得たデジタルデータを元に彫刻化する「Trans」など、名和のこれまでの彫刻シリーズを特徴づける技法が用いられ、それがオブジェの意味を不安定にし、記号としての可読性が揺らいでいきます。
名和が大学時代に制作したプロトタイプを基にした《Meat in a Cell》(2025)には、有機物と人工素材の相互作用やセル概念など、名和の長年にわたる主題の萌芽を見出すことができます。一見磨き上げられた鉱石にもみえるオブジェは、ガラスケースに詰め込まれた肉塊であり、シュルレアリストの用いた「異化」効果のように、視覚的な認識と実体との乖離によって鑑賞者の記憶に深く刻み込まれます。炭化ケイ素で覆われた木製の椅子と乾燥した植物からなる《Traveller's Tree》(2025)や、解剖標本のように、水分を樹脂に置き換えるプラスティネーション処理を施した鶏頭をガラス瓶に刺した《Cockscomb》など、有機物や生体さえもが凍結した静止状態に置かれ、異質で異次元なイメージをいっそう増幅させていきます。
展示作品の中でも、《Cells in the Grotto》(2025)は解釈の流動性を象徴するうえで際立っています。リゾームに覆われた洞窟のような造形は粘土を乾燥させ粉砕した泥で覆われ、その内部に異なる天然・人工物を封じ込めた大小さまざまなガラス球が置かれています。フレーク状の雲母、結晶化した鉱物、青くフィルムコーティングしたカブの種、ヒマラヤ岩塩やよもぎなど、多種多様な色彩や形状をもつ要素がカプセル化され、地球環境の危機と複雑に絡み合う生態系を暗示しています。同時に、不調和に見えるオブジェの配置は、神話的・象徴的なイメージを想起させ、コントロールできない外的要因に導かれる集合の特性を浮び上がらせています。
目的を失ったオブジェが次々と漂着する名和のスタジオは、ヴァルター・ベンヤミンが「寓話的なパッチワークの散在」*と呼んだ収集のあり方を体現するかのように、直線的な物語や分類を退けながら、意図的な無秩序のもとで増殖し続けています。名和の実践によってオブジェの記号としての可読性は解体され、異なるマテリアルと技法を加えることでそのフォルムが変容していきます。この組み換え可能なアッサンブラージュにおいて、オブジェはその物性とコード化された意味の狭間をさまよい出ます。本展では、そうした個々の彫刻の集合を空間に布置することで、既存の価値体系を異化し、予期せぬ視点へと導く関係性の場を開いていきます。
* Benjamin, W. (1999). ‘The Collector.’ In The Arcades Project. Cambridge, MA: Harvard University Press. p. 211.
展示期間:- 2025年7月12日(土)
開廊時間:12:00 - 18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
photo: Nobutada OMOTE
Sentient


ダンサー・田中泯と彫刻家・名和晃平のコラボレーションによるパフォーマンス作品《彼岸より》にもとづく映像作品の上映会を、京都のTHEATRE E9 KYOTOにて開催いたします。
かつて田中泯が主宰した「アートキャンプ白州」で出会った2人は継続的にその親交を深め、2024年1月、初のコラボレーションとなる同作が山梨・甲府にて公演されました。同作では一羽のハゲタカとうつろう霧、赤い泥による舞台美術を通じて、田中泯が問い続けてきた身体と気象、都市の外部といったものたちを接続し、まるで一つの“現象”のような舞台がつくり上げられました。
本上映会は、この記念すべき作品をより多くの方々に体感していただくことを目指しております。また上映会に合わせて、田中泯と名和晃平によるトーク、田中泯とダンサーたちによる対話、アートブックやレコードのローンチといったさまざまな関連イベントを企画しております。これらを通じて、ぜひみなさまと《彼岸より》の問いかけをさらに深めることができればと思っております。
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◼︎ 上映会&トークイベント
パフォーマンス作品《彼岸より》にもとづく映像作品の上映会。特に7/11(金)、12(土)の各上映後には、田中泯・名和晃平・その他ゲスト(原摩利彦、吉本有輝子などを予定)によるトークイベントを開催いたします。観客との対話も含め、舞台美術、音楽、照明、演出などの多様な視点から作品を語り尽くす特別な時間となることでしょう。
日程:2025年7月11日(金) - 7月13日(日)、7月18日(金) - 7月21日(月)
時間:16:00 - 17:00 / 19:00 - 20:00(各日2回上映)
※7/11(金)・7/12(土)の両日のみ、以下の時程となります。
16:00 - 18:00:上映会&トークイベント
19:00 - 21:00:上映会&トークイベント
会場:THEATRE E9 KYOTO
〒601‑8013 京都府京都市南区東九条南河原町9-1
チケット購入
◼︎ ダンサー・ミーツ・ダンサー
田中泯と参加者による対話。「踊りはあらゆる人々のものである」という田中泯の考えにもとづき、プロに限らない幅広い“ダンサー”たちを募ります。「踊りとは何か」を中心に、過去・現在・未来において踊りが果たす役割について、縦横無尽な思索と探求が繰り広げられる予定です。田中泯がこうした世代を超えた対話の場を催すのは久々のことであり、世界と身体の関係に興味を持つすべての人々にとって、極めて貴重な機会となるでしょう。また、モデレーターにはジャーナリスト/アートプロデューサーの小崎哲哉を迎え、対話には名和晃平も参加いたします。
日時:2025年7月12日(土) 11:00 - 15:00(上映会と途中休憩を含む)
会場:THEATRE E9 KYOTO
〒601‑8013 京都府京都市南区東九条南河原町9-1
参加予約→ご好評につき満席になりました
◼︎ アートブック+レコードローンチ & トークイベント
《彼岸より》の公演写真とテキストを収めたアートブック、および同作の音楽を担当した音楽家・原摩利彦によるサウンドトラックを収録したレコードを発売いたします。会場ではこれを記念したローンチイベントを開催し、田中泯・名和晃平・原摩利彦・林琢真によるトークも予定しています。
日時:2025年7月10日(木) 19:00 - 20:00
会場:京都 蔦屋書店6F シェアラウンジ
〒600‑8002 京都府京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]
チケット購入
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「ダンス《彼岸より》」
演出・構成:田中泯|名和晃平
踊り:田中泯
美術:名和晃平
音楽:原摩利彦 / 音響:中原楽 / 照明:吉本有輝子 / 舞台監督:夏目雅也 / 衣装:山口源兵衛 / 服飾・髪型:石原淋 / 写真:井上嘉和 / 映像:株式会社青空 / 宣伝美術:林琢真 / 有志:山梨の若者たち
企画・制作・共催:Madada Inc. + Sandwich Inc.
協賛:Valuence
協力:株式会社大小屋、ざぶとん亭風流企画、SCAI THE BATHHOUSE、山口源兵衛(誉田屋源兵衛株式会社)
主催:やまなしステージ・アート・プロジェクト2023実行委員会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、UTYテレビ山梨 / 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2) |独立行政法人芸術文化振興会 / 事業名:『JAPAN LIVE YELL project』
彼岸より

身体と物質、此岸と彼岸、生と死のあわいを描き出すパフォーマンス作品《彼岸より》にもとづくアートブックとレコードをSandwichよりリリースいたします。
《彼岸より》は、ダンサー・田中泯と彫刻家・名和晃平という異なる領域で身体と物質に向き合ってきた二人による、初のコラボレーションです。ここに、音楽家の原摩利彦や照明の吉本有輝子をはじめとした多数のクリエイターが加わり、身体と物質が交わりあう唯一無二の時空間を創出しました。
書籍では、この記念すべき作品を、数々の写真やテキストを通じて紙上に再構成することを試みています。2024年に山梨県甲府のYCC県民文化ホールにて上演された《彼岸より》の単なる舞台記録にとどまらず、2日間のみ現れたこの特別な「event(出来事)」を、読者の身体感覚へと響かせることを目指しています。紙面から立ち上がる「踊りの気配」に身を委ね、ページをめくりながら、彼岸と此岸のあわいへと足を踏み出してみてください。
アナログレコードでは、音楽家・原摩利彦によるオリジナルサウンドトラックを収録しています。2021年、原が音楽を手がける名和の映像作品《Tornscape》がSCAI THE BATHHOUSEで展示された際に、会場では田中泯による告知なしの「場踊り」が行われました。これこそが《彼岸より》誕生のきっかけであり、いわば《彼岸より》の一端は、原の音によって導かれたとも言えるでしょう。
フィールドレコーディングからの帯域抽出、原と親交の深いミュージシャンたちによる「この世界あるいは社会、自分自身への怒り」をテーマとした即興演奏、尺八奏者・工藤煉山との協働、そして《Tornscape》のサウンドからの発展など、さまざまな手法とアプローチで紡がれる音の数々。それらは互いに響き合い、現実とも非現実ともつかない「どこでもない場所」へと聴衆を誘います。
◼︎ 書籍
書籍名:彼岸より
著者:田中泯 | 名和晃平
寄稿:小崎哲哉
インタビュー:原摩利彦
発行:Sandwich Inc.
初版第一刷発行:2025 年7月11日
仕様: B4 変形(W260×H357)、クータバインディング装、ドイツ装、スリーブケース付、174頁
印刷・製本:日本写真印刷コミュニケーションズ株式会
ISBN:978-4-9913310-2-2
定価:11,000 円(税込)
※京都 蔦屋書店にて先行販売、予約受付中。
◼︎ レコード
アーティスト:原摩利彦
リリース日:2025 年7月11日
フォーマット:アナログレコード
レーベル:Sandwich Inc.
プレス:東洋化成株式会社
品番:SND-INC-001
定価:5,500 円(税込)
※京都 蔦屋書店にて先行販売、予約受付中。


災害時の一時退避場所を周知する目的のもと、渋谷区によっ て発足された「シブヤ・アロープロジェクト」の一環として、東京・恵比寿の恵比寿東公園(通称“タコ公園”)に、名和晃平の新作パブリックアート《Uncle Red》を設置いたしました。
彫刻シリーズ「Ether」とそれを見上げる人物のモチーフを組み合わせた本作は、名和とダンサー・田中泯氏とのコラボレーションのもと2024年に公開されたパフォーマンス作品《彼岸より》をきっかけに生まれました。本作を印象付ける強烈な赤色は、危険を示す警告色であることはもちろん、《彼岸より》で田中氏の身体を包む泥の色でもあり、巨大な困難に対する反骨のエネルギーが込められています。
また、設置場所である恵比寿東公園は、田中氏も出演するヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』において、主人公の平山が掃除に訪れる恵比寿東公園トイレ(通称“イカトイレ” ※槙文彦氏設計)があるなど、さまざまな面で本作と響き合っています。
公園入り口の石垣の上に設置された本作は、公共空間の中に活力をもたらすとともに、ビルに囲まれた公園の上に広がる空へと人々の視線を導くきっかけにもなっています。春には、公園の桜とともに並ぶ姿も楽しめることでしょう。
場所:恵比寿東公園(タコ公園)
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-2-16
photo: Nobutada OMOTE
Uncle Red


大阪の街を巡りながら未知のアートやデザインに出会う周遊型エリアイベント「Osaka Art & Design 2025」の一環として、大阪高島屋にて企画展「CAPS 2025」が開催されます。
本展は「京都芸術大学大学院芸術専攻芸術実践領域」の教育プログラムに関連した企画であり、同領域に関わりつつアーティストとして活躍する教員や修了生、在学生の作品を通して、その端々しい視点を広く紹介しています。平面や立体・工芸・映像・インスタレーションといった多様な表現が空間に展開され、今のアートシーンを形成するエネルギーと広がりを感じられる展示となっています。また、会期中には出展アーティストによるワークショップも開催されます。
Sandwichは全体の展示構成を担当し、名和晃平は1階ステージにて彫刻作品《Swell-Tiger》、《Swell-Deer》を展示いたします。さらに、Sandwichより新たに出版予定のアートブック『鬼大名 The Echoes of KYOTO』を、7階の催会場にて販売いたします。この期間中に書籍を購入いただいた方には、本書がジャストサイズで収まるトートバックが特典 (※数量限定) として進呈されます。
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◼︎CAPSについて
CAPSは、2025年春に誕生した、京都芸術大学大学院芸術専攻芸術実践領域 (旧名・美術工芸領域、CAP: Contemporary Art Practice) を中心に、あらゆる方向へ動的に広がる活動の総称。芸術教育を社会における生きた実験と捉え、展覧会の企画・制作・プロデュースなど、正規の教育の枠組みを超えた様々な創造的活動を展開する。CAPSのSは、その取り組みの複数性と、自由な実験的スタジオ (studio) の双方をあらわしている。
Sandwichは、学内アトリエの改修および設計を担当し、制作と展示の両機能を兼ね備えた空間を実現した。
...
展示期間:2025年5月28日(水) - 6月10日(火)
※7階のみ6月9日(月)まで
開館時間:10:00 ‐ 20:00
※7階のみ10:00 - 19:00、6月9日(月)は18:00閉場
会場:大阪高島屋 [1階] ステージ、グッドショックプレイス / [2階] インターナショナルブティック特設スペース / [3階] ローズパティオ / [6階] ローズパティオ / [7階] 催会場
〒542-8510 大阪市中央区難波5丁目1番5号
企画:CAPS実行委員会|髙島屋大阪店|株式会社オーク|山中suplex
協力:鬼大名|ウルトラファクトリー|京都芸術大学|ホテル アンテルーム 京都|原摩利彦
展示構成:Sandwich Inc.
CAPS 2025

京都芸術大学でともに教鞭を執る3名のアーティスト、鬼頭健吾・大庭大介・名和晃平によるキュレーションユニット「鬼大名」。およそ10年にわたり彼らが関わってきた多様なプロジェクトの紹介を通じて、京都のアートシーンを振り返るアートブック『鬼大名 The Echoes of KYOTO』を、Sandwichより出版いたします。
展覧会から商業施設のアートディレクションまで多岐にわたる彼らの活動は、アート実践を通じて社会と教育をつなぎ、若手作家たちのエネルギーを活性化するとともに、アートマーケットで生き延びるための道筋を学生たちに伝えてきました。
本書では、その中の12プロジェクトの紹介を通じて、計180名近いアーティストたちの作品を取り上げます。そこでは、これまでプロジェクトに参加してきた作家たちを鬼大名の活動の系譜の中に位置付けると同時に、これから創作へと足を踏み入れ、歩み続けようとする者たちにとっての道標をつくることが試みられています。それは、連綿と流れるアートの循環を促し、その現在地を素描することにもつながるでしょう。
近年、京都の若手作家たちの勢いは高まり続け、とどまるところを知りません。ポテンシャルの高い作家が生まれ続けるこの背景には、京都という土地が育んできた独自のアートの生態系があります。
本書に収められたプロジェクトを眺めれば、それらが京都に軸足を置きつつも、国内外へ向けて広く開かれていることがわかるでしょう。ページから溢れんばかりにこだまする作家たちの声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
【書籍仕様】
書籍名:鬼大名 The Echoes of KYOTO
著者:鬼頭健吾、大庭大介、名和晃平
インタビュー:椿昇、ヤノベケンジ
発行:Sandwich Inc.
初版第一刷発行:2025年5月28日
仕様:A4変形(W204×H286)、並製、400頁
印刷・製本:日本写真印刷コミュニケーションズ株式会
ISBN:978-4-9913310-1-5
定価:5,500円(税込)
※京都 蔦屋書店にて先行販売、予約受付中。
鬼大名 The Echoes of KYOTO

ダミアン・ジャレと名和晃平のコラボレーションによる新作パフォーマンス作品《Mirage》をスイス・ジュネーヴの劇場Grand Théâtre de Genèveにて世界初演いたします。スイス公演の後には、ドイツおよびスペインでの巡回公演が決定しており、2026年以降もヨーロッパツアーを予定しています。
本作は10年以上にわたって親交を深めるジャレと名和による4作目のコラボレーションであり、生命の絶え間ない変容をテーマに、元ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルをはじめとする多分野のクリエイターたちとともに創り上げられています。
2人はとりわけ、蜃気楼やファタ・モルガーナといった特定の気象条件下で発生する光の屈折による視覚現象から着想を得て、過酷な環境のメタファーとしての砂漠をさまよいながら自分自身を探し求める人々と、彼らが幻視する風景を描きます。
穏やかに見えるが止めることの出来ない迫り来る津波、あるいは砂丘を思わせる舞台の上で、ダンサーたちの身体は水や霧、グリッターといったさまざまなマテリアルと交感します。それはやがて、多彩な光の効果を触媒に、ひとつの現象となって空間を包み込みます。
◼︎Mirage – Geneva, Switzerland
日時:2025年5月6日(火) 20:00 -
2025年5月7日(水) 20:00 -
2025年5月9日(金) 20:00 -
2025年5月11日(日) 15:00 -
会場:Grand Théâtre de Genève
Boulevard du Théâtre 11, CH-1204 Genève, Switzerland
ウェブサイト
◼︎Mirage – Hamburg, Germany
日時:2025年6月5日(木) 20:00 -
2025年6月6日(金) 20:00 -
2025年6月7日(土) 20:00 -
会場: Kampnagel
Jarrestraße 20, 22303 Hamburg, Germany
ウェブサイト
◼︎Mirage – Madrid, Spain
日時:2025年9月18日(木), 19日(金), 20日(土), 21日(日) *時間未定
会場:Centro Danza Matadero
Paseo de la Chopera, 14, Plaza de Legazpi, 8, 28045 Madrid, Spain
ウェブサイト
コンセプト・振付:ダミアン・ジャレ
コンセプト・美術:名和晃平
音楽:トーマ・バンガルテル
照明デザイン:吉本有輝子
衣装デザイン:森永邦彦 (ANREALAGE)
衣装デザインアシスタント:佐藤杏奈 (ANREALAGE)
振付アドバイザー:エミリオス・アラポグル
プログラミング:白木良
共同製作:Kampnagel-Hambourg, Festspielhaus St. Pölten (AT), Charleroi Danse, Centro de Danza Matadero-Madrid, Maison de la Danse, Lyon – Pôle européen de création
協賛:RÉMY ET VERENA BEST, Indosuez Wealth Management, FCO Private Office, Stiftung Usine, 吉村ホールディングス (Mirage [transitory])
※《Mirage》は、株式会社 Zero-Ten、Sandwich Inc.、Super Massive Global株式会社が企画・制作し、吉村ホールディングスの協賛によって、2024年9月に福岡で上演された《Mirage [transitory]》を元にしたパフォーマンス作品です。
– 白木良氏 (1990 - 2025) に哀悼と敬意を込めて
photo: Gregory Batardon
Mirage


大阪・関西万博の関西パビリオン京都ゾーンの空間デザインをSandwichが担当しました。
めくるめくコンテンツで満たされた万博会場の中において、さまざまなクリエイターの協力のもと、統一されたミニマルかつ静謐な空間をつくることで、人々がじっくりと京都の未来と過去に向き合えるような体験の創出を目指しました。
床から壁面は浅田製瓦工場と共に開発した京瓦タイル「キモノタイル」によって覆われており、着物の前合わせを思わせる独自のタイルパターンは、幾何学的でありながら不規則なリズムを刻んで配列され、空間に動きと奥行きを与えます。これに株式会社青空による映像や、音楽家・原摩利彦による音響が加わり一体となることで、多面的な空間の魅力を物語っています。
会期:- 2025年10月13日(月)
開場時間:9:00 - 22:00
会場:大阪・関西万博 - 関西パビリオン内 京都ゾーン
〒554-0044 大阪府大阪市此花区夢洲中
空間デザイン:株式会社Sandwich
キモノタイル製作:浅田晶久 (株式会社京都商事 浅田製瓦工場)
施工:株式会社ファクト&尾田設計事務所
映像制作統括 ・ディレクター:山田晋平 (株式会社青空)
音楽:原摩利彦
サウンドデザイン:中原 楽 (カラビナ株式会社)
照明計画:安原正樹 (Plus y)
主催:大阪・関西万博きょうと推進委員会
プロジェクトマネジメント:TOPPAN株式会社
photo: Takeru Koroda
大阪・関西万博の関西パビリオン京都ゾーン
大阪・関西万博の東ゲートゾーン インフォメーションセンター前に、名和晃平の彫刻作品《Snow-Deer》を展示しています。
降り積もる新雪のようにふっくらと輝く白鹿は、神道などにおいて古来から神使として親しまれてきました。本作の神鹿は温暖化による海面上昇やさらなる気候変動を感じ取り、いずれ訪れる氷河期の未来を静かに見つめているのかも知れません。
展示期間:- 2025年10月13日(月)
開場時間:9:00 - 22:00
会場: 大阪・関西万博 - 東ゲートゾーン 東ゲート広場 インフォメーションセンター前
〒554-0044 大阪府大阪市此花区夢洲中
支援:田中仁氏 /(株)ジンズホールディングスCEO、(株)大丸松坂屋百貨店、(株)平和合金
大阪・関西万博
降り積もる新雪のようにふっくらと輝く白鹿は、神道などにおいて古来から神使として親しまれてきました。本作の神鹿は温暖化による海面上昇やさらなる気候変動を感じ取り、いずれ訪れる氷河期の未来を静かに見つめているのかも知れません。
展示期間:- 2025年10月13日(月)
開場時間:9:00 - 22:00
会場: 大阪・関西万博 - 東ゲートゾーン 東ゲート広場 インフォメーションセンター前
〒554-0044 大阪府大阪市此花区夢洲中
支援:田中仁氏 /(株)ジンズホールディングスCEO、(株)大丸松坂屋百貨店、(株)平和合金
大阪・関西万博

東京のSCAI THE BATHHOUSEにて、3年ぶり6度目となる名和晃平の個展「Sentient」(「意識・感覚のある」の意)を開催いたします。
テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、名和は過去20年間にわたるミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきてきました。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、人工素材とコード化された記号、デジタルデータと彫刻的フォルムの間で生じる再帰的な交換に目を向け、ファウンド・オブジェの表層を変質させるマテリアルの考察から生まれています。本展では、こうした探求をさらに掘り下げ、名和の実践がもたらす物質的な介入を通じて、オブジェの存在論に新たな問いを投じます。
展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年7月12日(土)
開廊時間:12:00 - 18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
プレスリリース
photo: Nobutada OMOTE
Sentient

テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、名和晃平は、過去20年間にわたるミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきてきました。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、人工素材とコード化された記号、デジタルデータと彫刻的フォルムの間で生じる再帰的な交換に目を向け、ファウンド・オブジェの表層を変質させるマテリアルの考察から生まれています。SCAI THE BATHHOUSEでの3年ぶり6度目となる個展「Sentient」(「意識・感覚のある」の意)では、こうした探求をさらに掘り下げ、名和の実践がもたらす物質的な介入を通じて、オブジェの存在論に新たな問いを投じます。
本展を構成するのは、それぞれ独立した台座に置かれ、複層的な対話を織りなす約20点の彫刻作品です。70年代のブラウン管テレビ、節句を祝う飾り馬、デッサンに使われたギリシャ彫刻の石膏像ーー。彫刻の素材として立ち並ぶこれらのオブジェは、ネットオークションや地元の蚤の市などから、「移り変わる時代の網目に掬い出された」(名和談)かのように、それぞれに異なる時代や地域における美の概念をかたどっています。対象は静物にとどまらず、燃焼し続けるロウソクや展示中に週替りで生け替える生け花など、時代を象徴する大量生産品から個人の手が引き立てる様式美まで多岐に渡ります。作品の表面は、苔や菌糸のような絨毛を付着させた「Velvet」や3Dスキャンなどで得たデジタルデータを元に彫刻化する「Trans」など、名和のこれまでの彫刻シリーズを特徴づける技法が用いられ、それがオブジェの意味を不安定にし、記号としての可読性が揺らいでいきます。
名和が大学時代に制作したプロトタイプを基にした《Meat in a Cell》(2025)には、有機物と人工素材の相互作用やセル概念など、名和の長年にわたる主題の萌芽を見出すことができます。一見磨き上げられた鉱石にもみえるオブジェは、ガラスケースに詰め込まれた肉塊であり、シュルレアリストの用いた「異化」効果のように、視覚的な認識と実体との乖離によって鑑賞者の記憶に深く刻み込まれます。炭化ケイ素で覆われた木製の椅子と乾燥した植物からなる《Traveller's Tree》(2025)や、解剖標本のように、水分を樹脂に置き換えるプラスティネーション処理を施した鶏頭をガラス瓶に刺した《Cockscomb》など、有機物や生体さえもが凍結した静止状態に置かれ、異質で異次元なイメージをいっそう増幅させていきます。
展示作品の中でも、《Cells in the Grotto》(2025)は解釈の流動性を象徴するうえで際立っています。リゾームに覆われた洞窟のような造形は粘土を乾燥させ粉砕した泥で覆われ、その内部に異なる天然・人工物を封じ込めた大小さまざまなガラス球が置かれています。フレーク状の雲母、結晶化した鉱物、青くフィルムコーティングしたカブの種、ヒマラヤ岩塩やよもぎなど、多種多様な色彩や形状をもつ要素がカプセル化され、地球環境の危機と複雑に絡み合う生態系を暗示しています。同時に、不調和に見えるオブジェの配置は、神話的・象徴的なイメージを想起させ、コントロールできない外的要因に導かれる集合の特性を浮び上がらせています。
目的を失ったオブジェが次々と漂着する名和のスタジオは、ヴァルター・ベンヤミンが「寓話的なパッチワークの散在」*と呼んだ収集のあり方を体現するかのように、直線的な物語や分類を退けながら、意図的な無秩序のもとで増殖し続けています。名和の実践によってオブジェの記号としての可読性は解体され、異なるマテリアルと技法を加えることでそのフォルムが変容していきます。この組み換え可能なアッサンブラージュにおいて、オブジェはその物性とコード化された意味の狭間をさまよい出ます。本展では、そうした個々の彫刻の集合を空間に布置することで、既存の価値体系を異化し、予期せぬ視点へと導く関係性の場を開いていきます。
* Benjamin, W. (1999). ‘The Collector.’ In The Arcades Project. Cambridge, MA: Harvard University Press. p. 211.
展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年7月12日(土)
開廊時間:12:00 - 18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
photo: Nobutada OMOTE
Sentinent

大阪のGallery Nomartにて、藤本由紀夫、中原浩大、今村源、名和晃平の4名によるグループ展「Treasure 2」を開催いたします。Gallery Nomartとの協働制作によって生まれたマルチプル作品の中から、近年制作した作品と新作を展示いたします。
展示期間:2025年4月5日(土) - 2025年5月2日(金)
開廊時間:13:00 - 19:00
休廊日:日曜・祝日
会場:Gallery Nomart
〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
Treasure 2
東京のPLAY! MUSEUMにて開催される動物をテーマにした展覧会「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」に、名和晃平の彫刻作品《PixCell-Flamingo》を出展いたします。
展示期間:2025年4月16日(水) - 7月6日(日)
会館時間:[月曜 - 金曜] 10:00 - 17:00 (最終入場 16:30)
[土曜・日曜・祝日] 10:00-18:00 (最終入場17:30)
会場:PLAY! MUSEUM
〒190-0014 東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟
どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?
展示期間:2025年4月16日(水) - 7月6日(日)
会館時間:[月曜 - 金曜] 10:00 - 17:00 (最終入場 16:30)
[土曜・日曜・祝日] 10:00-18:00 (最終入場17:30)
会場:PLAY! MUSEUM
〒190-0014 東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟
どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?
東京国立博物館・表慶館にて、様々なジャンルのアーティスト、デザイナー、クリエーター総勢85名がアダチ版画研究所の彫師・摺師たちと協働して制作した、現代の浮世絵を展示する展覧会「浮世絵現代」が開催されます。名和晃平は新作の浮世絵3点を出展いたします。
展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年6月15日(日)
開廊時間:9:30 - 17:00 (最終入場 16:30)
※金曜・土曜、5月4日、5月5日は20:00まで開館
休廊日:月曜、5月7日
※4月28日、5月5日は開館
会場:東京国立博物館・表慶館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
浮世絵現代
展示期間:2025年4月22日(火) - 2025年6月15日(日)
開廊時間:9:30 - 17:00 (最終入場 16:30)
※金曜・土曜、5月4日、5月5日は20:00まで開館
休廊日:月曜、5月7日
※4月28日、5月5日は開館
会場:東京国立博物館・表慶館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
浮世絵現代
![Planet[wanderer]_3](http://sandwich-cpca.net/wp/wp-content/uploads/2024/09/Planetwanderer_3-1200x801.jpg)
振付家 ダミアン・ジャレと彫刻家 名和晃平の協働によるパフォーマンス作品 《Planet [wanderer]》を、ギリシャ・アテネのOnassis Stegiにて上演いたします。
日時:2025年4月4日 (金)、4月5日 (土)、4月6日 (日) / 20:30 - 21:30
会場:Onassis Stegi
Leof. Andrea Siggrou 107, Athens 117 45, Greece
チケット
振付 : ダミアン・ジャレ
セノグラフィ : 名和晃平
照明:吉本有輝子
衣装:Sruli Recht
音楽:Tim Hecker
サウンドデザイン:Xavier Jacquot
振付アシスタント:Alexandra Hoàng Gilbert
Outside eye:Catalina Navarrete Hernández
クリエイティブプロデューサー:Jamila Hessaine
ダンサー:Shawn Ahern、Kim Amankwaa、Aimilios Arapoglou、Francesco Ferrari、Vinson Fraley、Christina Guieb、Astrid Sweeney、湯浅永麻
製作:Théâtre National de Bretagne
パートナーシップ:Chaillot – Théâtre national de la Danse (2021年度アソシエイト・プロデューサー)
共同製作:Sandwich Inc.、Charleroi Danse、Festpielhaus St Pölten、東京芸術劇場、ロームシアター京都、京都芸術センター、Opera de Rouen Normandie、Theater Kampnagel Hamburg、Ballet de Grand Théâtre de Genève、Staatstheater Darmstadt、Nagelhus Schia Productions
協力:京都芸術大学 Ultra_Sandwich#14 #15 #16 #17、京都大学 竹中研究室
特別協力:株式会社グランマーブル、株式会社マツシマホールディングス
感謝:Théo Casciani、Prabda Yoon、Fabienne Aucant
Photo: Rahi Rezvani
Planet [wanderer]
シンガポールのArtScience Museumにて開催される展覧会「Iris van Herpen: Sculpting the Senses」に、ダミアン・ジャレと名和晃平によるパフォーマンス作品《VESSEL》の映像(編集版)が展示されます。
展示期間:2025年3月15日(土) - 8月10日(日)
開館時間:[日曜 - 木曜] 10:00 - 19:00 (最終入場18:00) / [金曜 - 土曜] 10:00 - 21:00 (最終入場20:15)
場所:ArtScience Museum Level 3 Galleries
6 Bayfront Avenue, Singapore 018974
Iris van Herpen: Sculpting the Senses
展示期間:2025年3月15日(土) - 8月10日(日)
開館時間:[日曜 - 木曜] 10:00 - 19:00 (最終入場18:00) / [金曜 - 土曜] 10:00 - 21:00 (最終入場20:15)
場所:ArtScience Museum Level 3 Galleries
6 Bayfront Avenue, Singapore 018974
Iris van Herpen: Sculpting the Senses